メンターは、直属の上司とは別に置かれる相談相手を指す。厚生労働省のマニュアルは、経験豊かな先輩社員(メンター)が双方向の対話を通じて、後輩社員(メンティ)のキャリア形成上の課題解決や悩みの解消を支援し、個人の成長をサポートする役割と説明している。支援を受ける側がメンティ。
同じマニュアルは、この関係を「斜めからの支援」と呼んでいる。縦の線でも横の線でもないところから来る支援、という意味で。
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メンターは、直属の上司とは別に置かれる相談相手を指す。厚生労働省のマニュアルは、経験豊かな先輩社員(メンター)が双方向の対話を通じて、後輩社員(メンティ)のキャリア形成上の課題解決や悩みの解消を支援し、個人の成長をサポートする役割と説明している。支援を受ける側がメンティ。
同じマニュアルは、この関係を「斜めからの支援」と呼んでいる。縦の線でも横の線でもないところから来る支援、という意味で。
マニュアルの対比はこうなっている。職場の上司は部下に対して業務上の指示・命令を行うことを通じて、組織目標の達成を目指す。メンター制度のほうは、先輩社員が対話を重ねて、メンティのキャリア形成上の課題解決や悩みの解消を支援する。
ここでいう対話とは、対等な関係で相手の意見を受け入れ、相互に視野を広げて信頼関係を築くこと。メンターが助言や指導をすることもあるが、そのときもメンティがメンターの意見に従うべきだと決めつけず、メンティの意見に耳を傾けることが大事だと書かれている。メンターの側には、会社の慣行や自身の成功体験に固執せず、メンティに合う活躍のあり方を一緒に考えることが求められる。
OJTやコーチングは、マニュアルでもメンタリングとは別の人材育成施策として並べられている。線引きは、指示・命令の線の上にあるかどうか。
マニュアルによれば、メンターは、仕事の指示・命令を下して評価を行う利害関係のある直属の上司や先輩を外して、異なる職場の先輩社員が担うのが一般的。役員・管理職層レベルから数年先輩まで、目的によって設定される。
評価する人と相談相手を分ける、という設計。ここが崩れていると、話せる範囲が狭くなる。
メンタリングは3つの段階で進行する。初期段階はメンターとメンティがマッチングされ、目的や目標を確認し、互いを理解し合う段階。深化段階はメンター関係が進展し、さまざまな支援的行為が行われる段階。解消段階はメンタリングが終了に近づき、活動のレビューや今後の方向性を確認する段階になる。
期限もある。マニュアルは「通常、メンター関係は1年間などと期限が決められ、期限が来れば関係はいったん終了します」と書いている。いま自分がどの段階にいるかで、面談で話す内容は変わる。初期段階で成果の振り返りをしても早いし、解消段階で目標の確認から始めるのは遅い。
厚生労働省の委託調査(令和5年度 個々の女性労働者のキャリア形成支援事業 企業アンケート、令和6年3月)は、メンター制度を導入した企業に目的と効果を複数回答で聞いている。答えた53社のうち、効果があったとして挙げられた割合の高い順に並べると、こうなる。
目的として挙げた割合は、同じ3項目で84.9%、79.2%、66.0%。目的に掲げた割合のほうが、効果があったと答えた割合より7〜10ポイントほど高い。
母数は53社で、女性社員の活躍推進という文脈で行われた調査。回答しているのは制度を入れている企業に限られるので、日本企業全体の割合として読める数字ではない。
マニュアルには、メンティ用のチェックリストが載っている。使い方は、メンタリングの初期段階が終わった時点で自分でチェックし、チェックがつかなかった項目に留意して残りの期間を進め、解消段階では全ての項目が満たされていることを目標にする、という形。
項目は10。「メンタリングの目標をメンターと共有している」「自分から学ぼうという姿勢を示している」「約束したことを疎かにしていない」「疑問や不満はその場で伝えている」「望んでいる支援をうまく引き出している」などが並ぶ。
並びを見て分かるのは、測られているのがメンターの力量ではなく、メンティ側の使い方だということ。相談相手が付いたかどうかより、その関係で何を引き出せたか。チェックリストはそこを数えている。
メンターが1人付いたことと、職場で相談できる経路が増えたことは、同じではない。制度としてのメンターが異なる部署の先輩だと、日々の仕事の判断はやはり直属の上司に聞くことになる。
人から反応が返ってくる頻度そのものを数える話はフィードバックの頻度のほうに書いた。仕事の進め方をどこまで自分で決められるかは裁量権の定義にある。
書き出しておくと後で効くのは、メンターが誰か(直属の上司か、異なる職場の先輩か)、面談の間隔と期限、そして話した内容のうち上司には出しにくかったもの。3つ目が残っていると、この関係が何を担っているかが見えてくる。
workprevu の診断は、職場の条件を12の項目に割って記録する。人から反応が返ってくる量も、人と接する量も、別の項目として聞く形にしてある。同じ職場の人の答えと並べたときのずれを見るための記録。
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