管理職の給料、課長級は51.2万円

管理職の給料を公的統計で見ると、課長級は月512.0千円、部長級は627.2千円、係長級は385.9千円になる。千円単位なので、課長級は51.2万円。厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査が、一般労働者のうち雇用期間の定めのない人を役職の段で分けて集計した値。非役職者は302.8千円なので、課長級との差は月209.2千円。ただしこの額には、残業代も賞与も入っていない。年収の形で出ている数字を探してきた人が最初に戸惑うのはここで、月額の所定内給与額と年収は、集計している範囲がそもそも違っている。

この数字は月額の所定内給与額

検索すると「管理職の平均年収は◯◯万円」という形の数字がよく出てくる。賃金構造基本統計調査の役職別の値は、年収ではない。所定内給与額、つまり労働契約などであらかじめ定められた所定労働時間ぶんの現金給与額のうち、時間外手当などを除いた月額で、集計の対象は6月分と決まっている。範囲が狭い。

役職 賃金(千円) 対前年増減率(%) 年齢(歳) 勤続年数(年)
部長級 627.2 5.2 53.0 22.2
課長級 512.0 4.3 49.3 20.7
係長級 385.9 4.1 45.6 17.8
非役職者 302.8 4.0 41.5 10.5

年収と比べるなら、ここに賞与と時間外手当を足した額で見ることになる。賞与の出方は職場ごとに違い、同じ課長級でも年2回で4か月ぶん出る職場と、業績に連動して0になる年がある職場では、年額が数十万円の単位で変わる。月額に12を掛けた数字は、自分の年収と合わない。

段が1つ上がるごとに、年齢と勤続年数も上がる

同じ表には年齢と勤続年数も載っている。部長級は平均53.0歳・勤続22.2年、非役職者は41.5歳・勤続10.5年。年齢で11.5歳、勤続年数で11.7年の差がある。

つまり役職別の額の差は、役職だけの差ではない。年齢給や勤続年数に応じた昇給の積み上がりも、同じ差の中に入っている。40歳で課長になった人の額が512.0千円に届かないのは、この512.0千円が平均49.3歳・勤続20.7年という集団を平らにした値で、同じ役職でも年齢と勤続年数のぶんだけ下に離れた位置から始まっているから。年代別の賃金の動きそのものは年代別の平均年収にまとめた。

伸び率は、役職の段でほとんど変わらない

対前年増減率は、部長級5.2%、課長級4.3%、係長級4.1%、非役職者4.0%。部長級が1ポイントほど高いけれど、係長級と非役職者はほぼ同じ。令和6年の1年間については、役職が上の段ほど賃金が速く増えたという形になる。

ただし1年ぶんの増減率は、その役職にいる人の入れ替わりでも動くので、部長級の額が5.2%増えたことは、去年から部長だった誰かの給料が5.2%上がったという意味にならない。同じ人の昇給率ではない。

同じ役職でも、男女で額が開く

役職別の値は男女でも分かれている。部長級は男636.4千円に対して女549.9千円で、差は86.5千円。課長級は522.4千円と458.1千円で64.3千円の差、係長級は396.3千円と354.0千円で42.3千円の差。非役職者でも325.6千円と270.3千円で、55.3千円離れている。

女性の側の対前年増減率は、課長級6.3%、係長級5.4%、部長級5.5%で、いずれも男女計の増減率を上回っている。縮む向きには動いた。それでも額の差は残る。

昇格しても手取りが増えないとき、どこを見るか

所定内給与額の統計からは見えない部分で、昇格の前後が逆転することがある。時間外手当が無くなる場合。確かめ方は明細の引き算で足りる。

  1. 昇格前の3か月について、基本給・役職手当・時間外手当・深夜手当の額を項目ごとに書き出す
  2. 昇格後の3か月について、同じ項目を書き出す
  3. 項目ごとに差を取り、合計する
  4. 賞与の算定基礎が変わっていないかを、就業規則か賃金規程で確かめる

3の合計が負なら、役職手当の額が、無くなった手当の額に追いついていない。4で算定基礎が変わっていれば、年額の差はさらに開く。

給与の決まり方そのものを会社に聞くときの聞き方は給与の決まり方の聞き方に、平均と中央値がずれる理由は平均年収と中央値に書いた。

平均と自分の額を比べるときの限界

役職別の集計は、役職名を全国でまとめた値。同じ「課長」でも、部下が20人の課長と部下がいない課長が同じ段に入っている。産業や企業規模の違いも、この表では分かれていない。自分の額が平均より低いことから言えるのは、その平均を作った集団と自分の条件がどこかで違っているという可能性までで、低さの理由がどの条件にあるのかは、この表の外を見ないと分からない。そこは明細で埋める。

自分の職場で確かめる

明細の項目ごとの差は、2年ぶん並べると傾きが出る。昇格した月、手当が変わった月、基本給が動いた月。並べてみると、昇格と昇給が同じ月ではなかった職場もある。

workprevu の診断は、職場の条件を12の項目に割って記録する。何が評価されて何が処遇に反映されるかは、そのうちの1つ。自分の答えと同じ職場の人の答えを並べて、どこがずれているかを見る形にしてある。

出典

  1. 令和6年賃金構造基本統計調査の概況 (8)役職別にみた賃金(厚生労働省、2024年調査)
  2. 令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況 主な用語の定義(厚生労働省)